■谷戸坂の登り口の南側、つまり元町側には、ずっと昔から製氷工場があったように記憶しています。どれくらい昔からなのかと調べてみると、明治12年(1879)に設立された Japan Ice Company までさかのぼることができるそうです。この会社は、その後、オランダ人のL.ストルネブリンクに買い取られ、さらに明治45年に「帝国冷蔵」に譲渡されましたが、創業以来の建物は大正12年(1923)の関東大震災で倒壊しました。右の写真は、その遺構ではないかと思われるレンガ壁です。震災後からつい最近まで建っていたなじみ深い下見板張りの建物は、平成12年(2000年)に解体されました。その後、みなとみらい線の駅やフランス山など、周辺の整備工事の際に、一時期だがこの古壁が姿を現しました。