■これは「英国領事館の鎮魂(1)」とまったく同じ場所を少し前の時刻に撮影された写真と思われます。背景の二本の木とそれらに倒れかかっている電柱状の柱からそう判断できます。また、それらとの位置関係から「鎮魂(1)」の右手前に写っている仮墓にまさに埋葬しようとしているところを写したものであり、そうなると、埋葬されている遺体は香港上海銀行員のI.C.モリソン氏か英国副領事のW.ヘイグ氏ということになります。さらに写真に白文字で焼き込まれている「英国人被災者を埋葬している水兵たち」というキャプションから想像を逞しくすると、領事館員でなく民間人であるモリソン氏ではないかとも考えられますが、そこまで意図したキャプションであるかどうかは疑問です。「英国領事館の鎮魂(追加1)」と同じ2011年夏に別のイギリス人収集家から入手した絵葉書です。この時期は東日本大震災の影響か、関東大震災時のこうした写真絵葉書が多数オークションに出品されていました。(2011年12月記)